
1時間半、無言で止まっていました
僕は自分の事業で、連絡用の仕組みを24時間動かしています。届いたものを見張って、急ぎのものだけ手元へ知らせてくれる、地味ですが毎日効いている仕組みです。
ある日、これが止まりました。原因は一瞬の停電でした。数十秒だけ電気が切れて、パソコンが電池側に切り替わった。そのはずみでプログラムが強制終了しました。電気はすぐ戻りましたが、止まったプログラムは自動では戻ってきません。
止まっていた時間は、およそ1時間半。僕がそれに気づいたきっかけは、システムからの警告ではありませんでした。「あれ、止まってない?」と人から言われて、初めて知りました。
なぜ気づけなかったのか
人がやっている仕事なら、休めば周りが気づきます。書類が上がってこない、返事が来ない、机に人がいない。止まったことが目に見えます。
ところが自動化した仕事は違います。うまく動いているときは何も言いません。止まったときも、同じように何も言いません。動いているときと止まっているときが、外からは同じに見えるのです。
しかも自動化するのは、たいてい「毎日やっているが、その日の売上には直結しない」仕事です。1日止まっても、その日は誰も困りません。困らないから、発覚が遅れます。
僕が間違えたのは、完成の定義でした
作ったときの僕は、「動くところまで作れたら完成」だと思っていました。実際、動いていましたし、毎日きちんと仕事をしていました。
いま思えば、あれは半分しかできていませんでした。本当の完成は「止まったら分かる」ところまでです。動かすことと、動いていると確かめられること。この2つは別の仕事です。
同じ失敗をしないための決めごと
- 動かす前に「止まったらどうやって気づくか」を決める。作り終わってから考えると、たいてい後回しになります
- 通知は「成功したら静か・失敗したら知らせる」にする。毎回「成功しました」が届く仕組みは、すぐ読まれなくなります
- 生きているかどうかは、別の仕組みから見る。止まった本人に「止まりました」と報告させることはできません
- 復帰は自動で。人が気づいてから手で戻す前提にしない。気づくのが1時間半後なら、そこまでは止まったままです
これは、社内に詳しい人が一人だけの会社ほど起きます
「詳しい◯◯さん」が作った便利な仕組みは、たいてい◯◯さんの頭の中にしか設計図がありません。止まったことに気づけるのも◯◯さんだけです。その人が休んだ日・辞めた日に、静かに止まります。
AIを業務に入れるときも、まったく同じことが起きます。むしろAIのほうが厄介かもしれません。おかしくなっても「それらしい答え」を返し続けるので、気づく手がかりが出ないのです。
この話、他人事ではないと思われたら
「便利な仕組みはあるが、止まったときに誰も気づけない」——そういう状態でしたら、一度見せてください。Claude Code 導入支援やAI・DX伴走支援では、動かすところだけでなく、止まったら分かる形にするところまでをお手伝いしています。
