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やってはいけないAI導入 ③

自動化に「捨てる」
書いてはいけない

自動化でいちばん取り返しがつかないのは「捨てる」処理です。判定はいつか必ず間違えます。そのとき捨てていたら、間違えたことにすら気づけません。

公開日: 2026年8月18日|大阪の中小企業向け AI・DX伴走支援 けんちろワークス

自動化に「捨てる」を書いてはいけない

お問い合わせが、2件消えました

僕が運営しているサイトのお問い合わせフォームには、迷惑メール対策を二重に入れていました。よくある構成です。実際、機械的な迷惑投稿はきちんと止まっていました。

問題は、止めたあとの作りでした。迷惑と判定された送信は、メールも飛ばず、管理画面にも残らず、完全に消える作りになっていたのです。

ある日、実際に2件消えました。分かったのは、アクセス解析に「送信しようとしてエラーになった」記録が残っていたからです。入力欄に文字を打った形跡も、2回ありました。機械ではなく、人でした。

そして、誰が何を書いて送ってくれたのかは、もう分かりません。復元する手段がありません。これがいちばんこたえました。

「いらないものを捨てる」は、判定が正しい前提で書かれています

捨てる処理を書くとき、人は無意識にこう考えています。「これは不要だと判定できた。だから消してよい」。

ですが、判定は必ず間違えます。迷惑メール対策も、AIの仕分けも、100点にはなりません。9割合っていれば優秀なほうです。問題は、残りの1割をどう扱うかです。

捨ててしまうと、間違えたことにすら気づけません。正しく捨てたのか、間違って捨てたのかを、あとから確かめる材料が残らないからです。

受け取ったものを判定してから保存すると、判定で弾かれたものは記録にも残らず、間違えたことにすら気づけない。先に必ず保存してから判定し、判定の結果も一緒に残す。そうすれば弾いたものをあとから見直せる。
捨ててしまうと、間違えたことにすら気づけません。

「捨てる」ではなく「分ける」に置き換える

直し方は、とても単純です。受け取ったものは、まず全部そのまま保存する。そのうえで、不要と判定したものには印を付けて、別の場所へ寄せておく。消しません。

いま僕のサイトはこうなっています。迷惑と判定された送信も全部保存したうえで、「要確認」という件名で自分にメールが飛びます。本文には、どの仕組みが弾いたのかも書いてあります。本物のお客様なら、そのまま返信すれば届きます。

迷惑投稿の通知が少し届くくらいは、たいした話ではありません。本物のお問い合わせを1件失うほうが、はるかに高くつきます。

自動化に組み込む前のチェック

これはフォームだけの話ではありません

AIに仕分けを任せるときも、まったく同じです。「重要でないメールを消す」「不要な書類を整理する」「対象外の候補を除外する」。どれも便利ですが、消した瞬間に、間違いを確かめる方法がなくなります。

僕は「AIに向かない業務には向いていないと申し上げる」ようにしていますが、その筆頭がこれです。取り返しのつかない処理を、最初に自動化してはいけません。

この話、他人事ではないと思われたら

「気づかないうちに、何か取りこぼしていないだろうか」——そう思われたら、一度見せてください。AIが毎週改善するホームページ制作AI・DX伴走支援では、まず取りこぼしが見える状態にするところから手をつけます。

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