
断ったのに、断れていませんでした
僕は自分の事務作業をAIに任せていて、返事の下書きまで作らせています。送るかどうかを決めるのは僕です。手元に通知が届きます。いいねか❌を押すだけで、送る・送らないが決まります。
ある日、届いた案がどうも違ったので、❌を押しました。すると、こう返ってきました。
複数あるため判断できません
押したのに、何も起きません。断ったつもりが、断れていませんでした。
1通に、2件ぶん書いてありました
原因はすぐ分かりました。その日の通知は、1通の中に2件の案がまとめて書かれていたのです。
ところが、押す合図のほうは1通につき1つしか運べません。❌が1つ届いても、どちらを断ったのかが分かりません。だから「判断できません」と返すしかなかったのです。
仕組みは正しく動いていました。間違っていたのは、通知の書き方のほうでした。
「次からは1件ずつにしてね」では直りません
そこで最初に考えたのは、AIへの指示に一行足すことでした。「通知は1件ずつ出すこと」。これで直る気がしますよね。僕もそう思いました。
でも、直らないんです。その通知の文章を書いているのは、AIだからです。指示を読んで、たいていは守ってくれます。ただ、毎回必ずとは限りません。まとめて書いたほうが早い場面では、まとめて書きます。
そして、守らなかった一回が、そのまま事故になります。お願いは、決まりごとにはなりません。
だから、出口の側で決めました
直したのは、AIへの指示ではなく通知を出す部分です。文章がどう書かれていても、出口で必ずこうなるようにしました。
- 案が1件のときは、その通知にいいねと❌を先に付けておく
- 2件以上のときは、1件につき1枚のカードに分けて出す
- 多すぎるときは上限を5件までにして、あふれた分は黙って切らずに、その旨を出す
AIが何をどう書こうと、押す場所は1件につき1つ。守るかどうかをAIの心がけに預けるのを、やめました。
AIに任せる前に決めておくこと
- 絶対に外せないことを、指示文だけで守らせない。書くのは構いませんが、書いたから守られると思わないことです
- 出口で形を決める。AIが自由に書いてよい部分と、機械が必ず整える部分を分けます
- 守られなかったときに何が起きるかを見る。やり直せばいい程度なら指示で十分。事故になるなら仕組みにします
- あふれた分を、黙って切らない。切ったことを知らせないと、そこは無かったことになります
文の形が合っていても、動くとは限りません
同じ日に、もう一つやらかしました。この通知の部分を直したあと、文法の間違いが無いことだけ確かめて、そのまま動かしたのです。結果、起動した瞬間に落ちました。文の形は合っていても、部品どうしのつなぎ方が合っていませんでした。
止まっていたのは約3分です。短いですが、気づけたのはたまたまでした。いまは、そこを触ったら、再起動の前に必ず一度起こしてみます。その手順を足しました。
結局、どちらも同じ話です。気をつけるのをやめて、確かめる手順に置き換える。相手が人でもAIでも、ここは変わらないと思っています。
この話、他人事ではないと思われたら
「AIに手順を書いて渡しているのに、たまに違うことをする」——それは指示の書き方ではなく、仕組みで止める場所かもしれません。Claude Code 導入支援やAI・DX伴走支援では、お願いに頼らず、外せないところを形で固めるところまでお手伝いします。

