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やってはいけないAI導入 ⑩

四角と矢印だけの図に、
画像生成AIを使ってはいけない

このサイトのトップに載せている図は、画像生成AIを1回も通していません。使えなかったのではなく、使うのをやめました。

公開日: 2026年8月26日|大阪の中小企業向け AI・DX伴走支援 けんちろワークス

四角と矢印だけの図に、画像生成AIを使ってはいけない

この図、画像生成AIは1回も通していません

このサイトのトップに、「ご相談から開始までの流れ」という図を載せています。番号のついた四角が縦に4つ並んで、あいだを矢印がつないでいるだけの、なんの変哲もない図です。

これを作るのに、画像生成AIは1回も使っていません。アイコンも作らせていません。既製のものを持ってきて置いています。

AIで事業を回している人間が言うことではないように聞こえるかもしれません。ですが、こういう単純な図ほど、生成させないほうが速く、きれいに仕上がります。理由は3つあります。

1. 日本語の文字が出ません

画像生成AIは、文字を「意味」ではなく「絵」として描きます。日本語だと特にそうで、見たことのない漢字が返ってきます。

僕は以前、ブログのアイキャッチ画像を、デザインを作ってくれるサービスに任せていました。そのとき指定した日本語の2行が、最後まで出し切れないことがありました。

いまはそのサービスには文字を入れない背景だけを作らせて、文字はこちらで載せる形にしています。惜しいものが返ってくるぶんタチが悪くて、「もう一回いけるかも」と何度も引き直してしまうんですよね。文字が絵になった瞬間に、直せなくなります。

2. 指定した色になりません

うちのブランドカラーは、紺が #1F2535、黄色が #D09940 と決まっています。サイトも、図も、この値で揃えています。

ところが生成AIに「この紺で」と値まで渡しても、返ってくるのは「だいたい紺っぽい色」です。1枚だけ見れば気づきません。サイトの他のパーツと並べた瞬間に、その1枚だけ浮きます。

これは会社のロゴやコーポレートカラーをお持ちのところだと、もっと切実な話になると思います。「だいたい合っている」が許されない場所があります。

3. あとから直せません

いちばん困るのがこれです。

実はこの4ステップの図、一度まるごと作り直しています。最初は横長で作っていました。パソコンで見るぶんには問題なかったのですが、スマホで開くと文字が小さすぎて読めなかったのです。それで、縦に積む形へ作り替えました。

このとき手を入れたのは、図の設計図にあたるテキストの指定だけです。四角の位置と大きさを書き直して、書き出し直した。色も文言も、1文字も変わっていません。

これが生成させた絵だったら、ゼロから引き直しでした。そして引き直せば、また色と文字がずれます。図の文言は必ず変わります。料金が変わる、サービス名が変わる、ステップが1つ増える。作った瞬間が完成ではありません。

四角と矢印だけの図に画像生成AIを使うと、日本語の文字が化け、指定した色にならず、あとから直せない。同じAIに絵ではなくコードを書かせれば、指定した色と文字がそのまま出て、直したい1行だけ書き換えられる。
やめたのはAIを使うことではなく、AIに絵を描かせることでした。

かわりにやっていること

SVGという形式で、図をコードとして書いています。「ここに四角、その中にこの文字、線の色はこの値」と、全部テキストで指定するやり方です。書けたらブラウザで開いて、そのまま画像として書き出します。追加のソフトも、有料のサービスも要りません。

指定した色は、指定したとおりに出ます。文字は化けません。直したくなったら、その1行だけ書き換えて出し直します。

そしてもう1つ効いているのが、次に作る図も同じ見た目で揃うことです。うちでは寸法・配色・部品の作りを1つの決めごとにまとめてあって、図を作るときは必ずそこから始めます。読む人が「またこの図だ」と分かると、説明を読む前に構図が頭に入るんですよね。毎回引き直していたら、この揃え方はできません。

ただし、AIは使っています

ここは正直に書いておきます。そのSVGを書いているのは、AIです。僕が座標を1つずつ計算しているわけではありません。「この4ステップを縦に並べて」と伝えると、コードが出てきます。

つまり僕がやめたのは「AIを使うこと」ではなく、「AIに絵を描かせること」でした。同じAIに、絵ではなくコードを書かせる。それだけで、出てくるものの精度がまるで変わりました。

直せる形で出させる。ここがコツだと思っています。絵は直せません。コードは直せます。

ちなみに書き出した画像は、毎回自分の目で見て確認しています。ラベルが枠から外へはみ出していることが、初回はだいたいあります。ここだけは、いまも人の仕事です。

図を作るとき、画像生成AIを使うかどうかの分かれ道

「それはAIじゃないほうが早いです」と言うことがあります

これは図に限った話ではありません。

「AIでこれをやりたい」とご相談いただいて、「それはAIではなく、普通に作ったほうが確実です」とお答えすることが、けっこうあります。今回の図は、その小さな例です。

AIが向いているのは、答えが1つに決まっていない仕事です。逆に、答えが決まっているもの——決まった色、決まった文言、決まった並び——を、わざわざ推測させる必要はありません。指定したとおりに出る仕組みで作るほうが、速いし、確実だし、あとから直せます。

どちらで作るべきかの見分けは、外からは分かりにくいところだと思います。その切り分けを一緒にやるのが、僕の仕事です。

この話、他人事ではないと思われたら

「AIでやりたい」と思っていることが、本当にAI向きかどうか。ここを最初に切り分けておくと、あとの作り直しが減ります。AI・DX伴走支援AIが毎週改善するホームページ制作では、作る前のこの判断からご一緒します。

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