中小企業の仕事をAIで自動化するとき、最初に整理するのは作業の流れです。Notionへの記録とDiscordへの通知をつなぐ僕自身の例から、対象・開始条件・記録・確認の考え方を紹介します。
講演での実務例に、仕事で試すための手順・入力例を加えて解説しています。AI業務自動化は、どこから始めればよいか
「AIで自動化したい」と思ったら、最初に道具を選ぶより、いつもの作業を順番に並べます。何をきっかけに始まり、どの情報を確認し、何を残して、誰に知らせるのか。その流れが見えると、AIに任せたい部分が具体的になります。
一例として、公開情報を調べて記録し、必要な情報が見つかったら担当者へ知らせる仕事を考えます。検索、内容の確認、記録、通知という四つの工程に分けられます。最初はこのように、結果を人が確かめられる仕事を選びます。これは説明用の例で、導入実績や納期の保証ではありません。
毎回同じ形式へ転記する部分と、内容を読んで必要か判断する部分も分けてください。すべての工程にAIが必要とは限りません。定型的な処理と、文章の内容を読む判断を組み合わせると、どこにAIを使うかを考えやすくなります。
講演で紹介した流れ:確認 → Notionに記録 → Discordに通知
僕の例では、AIがメールやカレンダーを確認し、Webの情報も調べます。その結果を残す場所がNotionで、僕が気づくための通知先がDiscordです。記録先と通知先に、それぞれ違う役割を持たせています。
記録は、あとで仕事の経緯を確かめるために使います。一方、通知は、今見る必要があることに気づくための入口です。何でも同じ場所へ流すと、確認が必要な連絡が埋もれたり、あとで元の情報を探し直すことになったりします。
これは講演時点の僕自身の運用例です。同じアプリをそろえることが目的ではありません。あなたの会社で既に使っている記録先や連絡先を確認し、必要な役割から考えてください。
自動化する前に決める、四つの条件
一つ目は開始の条件です。毎朝などの時刻で始めるのか、新しい情報が入ったときに始めるのかを決めます。開始の条件が曖昧だと、処理されるべき情報が残ったり、同じ情報が何度も扱われたりします。
二つ目は対象です。どの情報を読み、どれを対象外にするかを決めます。「メールを読む」という説明だけでは、すべてのメールを対象にしてよいか分かりません。まずは許可された対象を絞る必要があります。
三つ目は記録する内容です。何が見つかったか、元の情報はどこにあるか、いつ確認したか、次に誰が何をするか。後から読んで判断できる項目を用意します。これらは設計時に検討する項目の例です。
四つ目は通知の条件です。何があったら知らせるのか、誰が確認するのかを決めます。記録する情報のすべてを通知する必要はありません。確認が必要なものを拾える形にすると、通知を見る仕事を増やしすぎずに済みます。
小さく試すときに確認すること
最初は既に内容が分かっている少数の情報で、想定どおり記録と通知ができるかを確認します。記録だけ成功して通知が届かない、通知は届くが元の情報が残らない、という状態を区別できるようにしてください。
次に、同じ情報をもう一度処理した場合を確かめます。重複した記録や通知が生じると、確認する人の仕事が増えてしまいます。何をもって同じ情報とするか、再実行のときにどう扱うかを決めておく必要があります。
途中でアプリへ接続できなくなったときや、必要な項目が見つからないときも、成功したことにしない仕組みが必要です。担当者が状態を確認でき、元の情報から再開できるかを見ます。この段階では、実際の顧客への送信や重要なデータ変更まで一気に広げません。
AIへ相談するだけで、NotionやDiscordは自動でつながる?
仕事の流れを文章で説明することと、アプリを実際につなぐことは別です。情報を読める権限、記録先に書き込む権限、通知先へ送るための設定と、処理を動かす環境が必要になります。利用料や設定の条件も、使う方法ごとに確認します。
Notionの公式開発資料には接続の認可とアクセス設定、Discordの公式資料には通知などに使うWebhookの仕組みが説明されています。ただし、これらの資料を読むだけで自社の仕事が自動化されるわけではありません。どの範囲へ接続するかと、何を実行させるかを設計する必要があります。
任せる仕事と、人が確認する仕事を分ける
記録や通知の下書きから始めれば、作られた内容を人が確認できます。取引先へ連絡する、予定を変更する、外部へ公開するといった操作は、その影響を含めて任せる範囲を決める必要があります。自動化できることと、そのまま実行してよいことは同じではありません。
講演で紹介したのは、情報を集め、記録し、僕に知らせる環境です。どこまで任せるか迷う場合は、普段の作業を一つ持ち込んでください。初回相談で、何をつなぐと役に立ちそうかと、最初に試す範囲を整理できます。
よくある疑問:自動化すると、確認の仕事はなくなる?
確認する仕事がすべてなくなるわけではありません。まず見るべきなのは、作業が完了したか、記録が正しいか、確認が必要な人に届いているかです。自動化の仕組みが動いていることと、仕事として必要な結果が出ていることを分けて考えます。
既存の連絡ツールを変える必要がありますか。講演ではDiscordを使っていますが、この記事だけで別の会社にも同じ道具が必要とは判断できません。今の仕事の流れと使っている道具を確認して、必要な接続を考えます。
自動化は、一つの作業だけではない
講演で紹介したAIの使い方の一つが、仕事の自動化です。僕の環境では、メールやカレンダーを確認すること、Webで調べること、その結果を記録すること、僕に知らせることをつないでいます。
「調べた情報を、どこに残すのか」「必要なことが見つかったら、どうやって気づくのか」。そこまでつながると、別々のアプリを行き来していた仕事の流れをまとめられます。
記録する場所と、知らせる場所を分ける
僕が講演で紹介した構成では、Notionを情報の記録先に、Discordを通知を見る場所にしています。Notionは記録を残すためのツール、Discordはチャットのようにメッセージを受け取るためのツールです。
常時動いているパソコンでAIが作業し、メールや予定を確認したり、Webを検索したりします。見つけた情報はNotionに残し、知らせたいことがあればDiscordへ送る。僕はその通知を見る、という流れです。
アプリ名よりも、仕事の流れを考える
この組み合わせは、講演時点の僕自身の運用例です。あなたの仕事で考えるなら、まず何を確認したいのか、どこへ記録を残したいのか、何が見つかったら知りたいのかを整理すると、任せたい仕事が具体的になります。
AIを会社や仕事に合わせて育てる考え方が、その前提になります。次のページでは、確認したデータを実際のサイト改善へつなげている例を紹介します。
動画でも確かめる · 約52秒
「AIを雇う 中小個人事業主のAI活用術」の一部。日本語字幕付き。
動画で話していること
講演の発言を、言いよどみや重複を整えて文章にしています。
今どんなことに使っているかというと、一つは自動化です。これはAIの得意分野だと思います。
僕の環境では、Discordというチャットのようなアプリと、Notionという記録を残すツールをAIでつないでいます。AIサーバーは、24時間つけっぱなしのパソコンのようなものだと思ってください。
ここでAIが動いて、メールを読んだり、カレンダーを見たり、Webを検索したりして、Notionに記録を残します。僕はDiscordを見ていて、「けんちろさん、こんなのありましたよ」と送ってくれる環境を作っています。
解説の根拠・参考資料
実務例の根拠は、本人の登壇動画「AIを雇う 中小個人事業主のAI活用術」です。上の手順・ひな形は、講演の内容を仕事で試すための説明例です。
