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登壇の文章・動画 · 01 · AIを育てる

中小企業のAI活用は「育てる」から
仕事を任せる手順と指示文の例

AIに会社の仕事を任せるには、何を伝えればよいのでしょうか。講演で話した「社員のように育てる」という考え方から、渡す情報の整理、指示文のひな形、結果がずれたときの直し方まで紹介します。

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AI活用について説明する永田謙一郎の登壇写真
永田謙一郎(けんちろ)の登壇より
この記事の要点

AIに会社の仕事を任せるには、何を伝えればよいのでしょうか。講演で話した「社員のように育てる」という考え方から、渡す情報の整理、指示文のひな形、結果がずれたときの直し方まで紹介します。

講演での実務例に、仕事で試すための手順・入力例を加えて解説しています。

まず、AIに任せたい仕事を一つ選ぶ

会社全体を便利にしようとすると、必要な情報も、うまくいったかの判断も曖昧になります。最初は「商品紹介文の下書きを作る」「公開済みの資料から質問への回答案を作る」のように、入力する情報と欲しい結果が見える仕事を一つ選んでください。これらは取り組み方を説明するための例で、実際の顧客案件ではありません。

選んだ仕事について、普段は誰が、何を見て、どの順番で作業しているかを書き出します。人が当たり前に判断している部分ほど、AIには伝わっていないことがあります。たとえば同じ商品紹介でも、専門家向けか初めて使う方向けかで、言葉や説明の順番は変わります。

最初の目的は、会社のすべての情報を一度に渡すことではありません。その仕事で判断するために必要な背景を整理し、出てきた結果を人が確認できる状態にすることです。

AIへ渡す情報は「目的・方針・資料・見本・判断範囲」

目的は、その仕事で何を実現したいかです。「文章を作る」よりも「初めて商品を見る人に、使う場面と申込方法を伝える」と書くほうが、結果を確かめやすくなります。

方針は、仕事で大切にしていることです。読み手、説明する順番、使ってよい表現、約束してはいけないことを整理します。値引きやサービス内容をAIの推測で書かせない、という条件もここに入ります。

資料には、現在使ってよい商品情報や手順を用意します。古い料金と新しい料金が混ざっている場合は、どちらが最新かを明示してください。情報の量を増やす前に、正本と更新日を分かるようにしておくことが大切です。

見本は、期待する仕上がりを伝えるためのものです。既に公開している紹介文など、利用できる資料から選びます。判断範囲は、AIが下書きまで行うのか、修正案まで出すのか、人の確認が必要な操作は何かという線引きです。

そのまま書き換えて使える、業務説明のひな形

次のひな形は、講演の「新入社員に教えるように情報を渡す」という考え方を、仕事で試すための入力例です。角括弧の部分をあなたの業務に置き換えます。書けない項目があれば、先に整理する必要がある部分が見えてきます。

【任せたい仕事】[例:公開済みの商品情報から紹介文の下書きを作る]
【読み手と目的】[誰に、何を理解してもらいたいか]
【会社の方針】[大切にしていること、使わない表現]
【参照する資料】[利用できる資料名と更新日]
【仕上がりの見本】[参考にする既存の文章]
【判断の範囲】[下書きまで。公開・送信は人が確認する]
【不明点の扱い】資料にない価格・実績・条件は補わず、確認が必要な点として挙げてください。

ひな形を埋めるだけで毎回正しく動くわけではありません。最初の結果を見て、どこに説明が足りなかったかを確かめるための出発点です。自社の情報を入力する際は、使うサービスと設定に照らし、その情報を扱ってよいかを確認してください。

返答がずれたら、理由を記録して次の仕事に使う

結果が期待と違ったときは、「もっといい感じに」だけで終わらせず、どこが違ったかを具体的にします。読み手が違う、古い情報を使っている、根拠のない条件を追加した、というように分けると、補うべき情報が見えます。

たとえば文章が専門的すぎたなら、「初めて読む人向け。専門語には短い説明を付ける」という条件を業務説明に残します。料金が間違ったなら、表現の修正だけでなく、参照する料金表と更新日を直します。これは改善の考え方を示す例です。

僕が以前書いた記事では、頼む、ずれる、ずれた理由をファイルへ書く、という繰り返しを紹介しています。その経験は別の記事にまとめています。ここでは、最初に渡す情報を整理し、修正を次に使える形で残す手順として考えてください。

本人の運用記録:AIを育てるファイルと、修正を残す話 →

「AIを育てる」は、会話した分だけ自動で再学習すること?

ここでいう「育てる」は、会社の方針や仕事の情報を、AIが作業するときに参照できるよう整えることです。会話するたびにAIのモデルそのものが自社専用へ再学習される、という意味ではありません。保存した情報が次の作業でも参照されるかは、使う仕組みや設定で確認する必要があります。

Anthropicの技術解説も、AIがその時点で使える情報を整える重要性と、参照できる情報には限りがあることを説明しています。資料を増やすだけでなく、必要な資料を読める状態にする、という補足の根拠です。

よくある疑問:中小企業でも始められる?

大きな社内データベースがなくても、まず一つの仕事の説明と利用できる資料から試すことはできます。ただし、欲しい結果と確認する人を決めておく必要があります。「何でもやってくれる」ことを期待するより、確認できる小さな仕事から始めるほうが、足りない情報を見つけやすくなります。

うまくいく指示文を買えば準備は不要でしょうか。指示の書き方が参考になる場合はありますが、その指示文はあなたの会社の最新の方針や商品情報を知りません。会社の背景を伝える部分は、自分たちの仕事に合わせる必要があります。

何から任せるか決まらない場合は、時間がかかっている仕事を一つ挙げてください。初回相談では、今の仕事を伺い、AIに任せられそうなことと最初に試す一手を整理します。実際に作るところまで学びたい方には、全3回のAI実践講座もご案内しています。

使い始めたその日から、全部任せられるわけではない

新入社員が会社に来たとき、いきなりプロジェクトを丸ごと任せられるでしょうか。仕事の進め方も、会社の方針も知らない状態では、難しいですよね。

この講演では、AIも一人の社員のように考えてみてください、とお話ししました。新しく使い始めただけで、その会社に合う仕事がすぐにできるわけではありません。何を大切にしていて、どんな方針で仕事を進めたいのか。その背景を伝える必要があります。

「育てる」は、会社と仕事を知ってもらうこと

AIを育てるというのは、何か特別なことをするというより、日頃から必要な情報を渡していくことです。会社の理念や方針、取り組んでいる仕事の情報を蓄積して、自分たちの状況を理解してもらう。その積み重ねが、仕事を任せる土台になります。

毎回、背景を何も伝えずに「これをやって」と頼むだけでは、こちらが求めていることが伝わりにくい。まずは、どんな仕事を任せたいのかを考え、その仕事に必要な情報と方針を伝えるところから始めます。

実務へのつなぎ方を、次の2つの例で

考え方だけで終わらず、僕自身がどんな形でAIを使っているかも講演で紹介しました。通知と記録をつなぐ自動化、そしてデータを読んでホームページを改善する運用です。続く2つのページでは、その流れを文章と短い動画で紹介します。

AI活用の講演と会場の様子
「AIを雇う 中小個人事業主のAI活用術」登壇の様子

動画でも確かめる · 約52秒

「AIを雇う 中小個人事業主のAI活用術」の一部。日本語字幕付き。

動画で話していること

講演の発言を、言いよどみや重複を整えて文章にしています。

日頃からAIに情報を蓄積して、育てていくことが重要になってきていると思います。育てるとはどういうことかというと、AIを中小企業の一社員だと思っていただくと分かりやすいです。

新入社員が来て、いきなり業務を任せられるかというと、任せられないですよね。会社の理念や方針を知ってもらわないと、一人でプロジェクトを進めることは難しいと思います。

AIも同じです。新しく使い始めたばかりで、すぐに十分な力を出せるわけではありません。しっかり育てていく必要があると思います。

解説の根拠・参考資料

実務例の根拠は、本人の登壇動画「AIを雇う 中小個人事業主のAI活用術」です。上の手順・ひな形は、講演の内容を仕事で試すための説明例です。

まずは初回相談で、最初の一手を。

あなたの仕事では、
何をAIに任せられそうですか?

今の仕事をお聞きし、AIに任せられそうなことと、最初に試す一手を一緒に整理します。「何から始めたらいい?」という段階でもご相談いただけます。

60分 9,900円(税込)
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相談だけのご利用も歓迎です。内容・日程を確認して申込確定となります。

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